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口径の大きい血管に対する薬剤溶出ステントの長期安全性はベアメタルステントと同等
Basel Stent Kosten-Effektivitats Trial- Prospective Validation Examination(BASKET-PROVE試験)
現在,冠動脈疾患の治療で用いられている薬剤溶出ステントは,血管径が大きい場合,薬剤を塗布していない従来のベアメタルステントと比べ,慢性期の心イベントリスクが高まる可能性が指摘されている。そこで,スイスのユニバーシティ・ホスピタルのChristoph A. Kaiser氏らは,現在,世界で広く使用されているシロリムスやエベロリムスの溶出ステントの長期安全性を,ベアメタルステントと比較する前向き無作為化試験を実施。薬剤溶出ステント留置2年後の心イベント発生率は,ベアメタルステントと同等であることを確認した。
対象は慢性および急性の冠動脈疾患で,径3.0mm以上のステント留置術が必要な患者2,314人。これらの患者をシロリムス溶出ステント,エベロリムス溶出ステント,ベアメタルステントの3群に割り付けてそれぞれ留置術を行い,約2年間追跡した。一次エンドポイントは24カ月後の心臓死または非致死性心筋梗塞の複合とした。
試験の結果,一次エンドポイントの発生率で3群間に有意差はなかったものの,シロリムス群やエベロリムス群のほうがベアメタル群よりも発生率が低い傾向を示し(2.6% vs. 3.2% vs. 4.8%),当初予想されていた結果を覆すものとなった。
本試験により,口径が大きい血管での薬剤溶出ステントの使用がベアメタルステントと比較して長期予後に問題のないことが確認されたことから,Kaiser氏は,”There is no late harm for drug-eluting stents in patients with large vessels. The fear of using drug-eluting stents in large vessels is no longer justified”と述べ,本研究結果の意義を強調した。(富樫哲也)
■試験の概要
| 対象 | 径3.0mm以上のステント留置術を必要とする慢性・急性の冠動脈疾患患者 2,314人 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 方法 | 国際多施設共同・無作為化比較試験 ・シロリムス(溶出ステント)群:775人 ・エベロリムス(溶出ステント)群:774人 ・ベアメタル(ステント)群:765人 |
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| 追跡期間 | 745日(中央値) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 結果 |
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